「【en】−演− 10」 【en】シリーズ 2014年版 劉備編 諸葛亮×劉備(合作水魚) |
唇を離し、 「ん…、ふぅ…」 と息を吐く。 「ひ、あぁ……っ。孔明……」 向かい合い、自分の重みでより深いところで孔明の固さを得て、私の中に残っていた理性がごっそりと刈り取られる。濡れた声を上げ、しがみ付く。熱っぽい息をつきながら、年下の男のあざなを呼んだ。 返事の代わり、とばかりに孔明は唇を何度も啄ばむように吸い、しがみ付いた私の手を自分の肩へと導く。ゆるり、と腰をうごめかし、背中を撫でた手は私の尻を揉む。 「…底の知れぬ欲の、底を求めにまいりましょうか…」 「今度は、ともに……だな」 乱れた息の下から何とか言葉を返し、あとはもう、理性が本能の邪魔をすることのないよう、お前に任せる、と肩に縋った手に力を込めた。 「はい。我が君」 答えとともに、私と自分の欲を満たす動きが強まった。腰を突き上げ、掻き乱し、耳や首筋、胸などに赤く徴を植えつけてくる。 奥が満たされたことでさらに張り詰めていた私の欲塊に、孔明の指が絡む。律動を早める腰に合わせるように、欲塊を追い上げる動きも激しい。 「……ひ、あ、んぁ……は、ぁっ……んっんっ」 目が眩むようだ。 ようやく与えられた充足感と、息を継ぐのも辛い激しい快感に頭の中は光が幾度も瞬く。 苦しい、と言い換えることができるほど、中を突く孔明の熱に喘ぐばかりだが、苦しさは心地良さであり、耐え難い法悦であり、何よりの幸福感だ。 私の中で悦び、私を求めるお前の息遣いに、私はひどく興奮するらしい。 最近気付いたことだった。 「…我が君…ッ」 今も、快感を滲ませた切羽詰ったような呼び声に、ぞくぞく、と官能が全身を痺れさす。私を絶頂へと導こうと、欲塊を抜き上げる指が速度を上げる。 孔明の雄身が抜け出る際まで引き抜かれ、そうして一気に奥を突いてきた。肌と肌のぶつかり合う湿った音が耳の奥から頭の中まで響く。 奥まで埋まった雄身は小刻みに揺すられ、肩口に孔明は顔をうずめた。 私の体はすでに後ろと前からの強烈な責めに限界で、ガクガクと震えている。 強く抱き締められたと思えば、耳元で低い呻きが聞こえた。中で雄身が一際大きく育つのを感じ、欲が注がれるのが分かった。 「っも……ぅ、んく……は、ぁ、あ……っひ、あぁ」 声を抑えることも忘れていたが、奥で孔明の精を覚えて押し出されるように私も極みを迎えた。 極めた余韻で震える体を抱き締めてくれている孔明は、背をそっと撫でている。荒い息をつく私の邪魔をしないよう、目尻や頬に唇を落とした。 慈しみ、愛しい感情が流れ込んでくるような仕草だ。 「…恋しいのは、水も同じです…。魚が居なくなってしまえば…、水は腐れてしまいますから…。我が君…。もう一度…かまいませんか…?」 「っはあ……はあっ……」 胸を多幸感で疼かせるようなことを告げる声を聞きながら、息を整える。汗ばんだ互いの熱っぽい体温に身を任せ、余韻を味わうために凭れていたが、孔明はまだ足りなかったらしい。 私の中で再び勢いを取り戻しつつあった。 「……んんっ」 まだ激しかった快感が残り熟れている中は、それだけでも十分な刺激で、小さく喘いだ。 つまり、まだまだ私も若い、ということだ。 どちらの底が深く、どちらの業が深いのか、確かめるにはまだまだ足りんよな。 「構わんぞ、来い、孔明」 と、屈託なく笑い、年下の男を招いたのだ。 つづく |
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