「籠之鳥求自由 1」 諸葛亮×劉備 |
(さすがに、怒っているだろうな……) 劉備は陽も落ちて暗くなっている道を小走りに進みながら、少々焦っていた。本当は、ここまで遅くなるつもりはなかったのだ。 少し気分転換を兼ねて城下に行き、美味いと評判の肉まんを買って戻るつもりだった。だが、その肉まんを売っている屋台のところで、簡雍に会った。 すると簡雍は、肉まんに合う酒を知っている、と言ったので、ほくほくして、その酒を買って帰ることにした。だが何ということだろう。ついつい簡雍の勧められるまま、そこで酒を飲んでしまって、あまり酒に強くない劉備は見事に酔っ払い、寝てしまったのだ。 はっとして劉備が目覚めると、簡雍は酒場に集まった知らない人間たちと騒いでいた。 それから外の暗さに青ざめ、酔いがすっかり醒めた劉備を、簡雍はひらひらっと手を振ってあっさり見送ったのだ。 (憲和も途中で起こしてくれればいいものの。まったくあいつはいつまで経っても昔の調子だの) 『それを言うなら、玄徳も全然変わらないじゃないか』 と、簡雍がここにいたら反論していただろう。 益州を自分のものにした、と言うのに、城で執務をこなすよりも、いつまで経っても民と接しているほうが楽しい、というのだから。 ――主が主なら、臣下も臣下なのだろう。 こっそりと、劉備だけが知る抜け道を通って、城内に戻る。 それから、劉備が三度も庵を訪ねて迎え入れた軍師の部屋を、そっと窓越しに覗き込んでみた。 (怒っておるかの、やはり) 窓の外から、母親に叱られそうな子供のような調子で、劉備は口うるさい歳若き軍師――諸葛亮の様子を窺った。 しかし、いつもは一番遅くまで明かりが灯っている部屋のはずなのに、今日は明かりが点いていなかった。 もしや、余りに遅いので探しに行っているのだろうか。 そうだとしたら、さすがに申し訳ない気持ちになる。 確かに執務続きで、卓上にかじり付いているのが嫌で時々サボるのが劉備の常だとしても。それを軍師が呆れながらも毎度のこと、と最近では諦めているらしい、としても。 今日は遅くなりすぎていた。 「兄者、何やってんだ、そんなところで」 そんなとき、後ろから急に声を掛けられて、劉備は飛び上がった。 「よ、翼徳か……。驚かすでない」 振り返れば、義弟である張飛が不審そうな顔で、諸葛亮の部屋を覗き込んでいた劉備を見やった。 「諸葛亮を探してんのか?」 「う、うむ、まあそんなところだ」 「あのさ、兄者。兄者が仕事嫌いなのはよく知ってっけども、あんまりサボるとそのうち酷い目にあうぞ?」 「なぜだ」 「だってよ、今日の諸葛亮、すっげえ怖い顔してたから。あれは相当、何かを溜め込んでるもんがあるぜ」 うぐぅ、と劉備は呻いた。 「まあ、諸葛亮は何だかんだいって雲長の兄者の次ぐらいには兄者に甘いけども、それに甘えると痛い目見ると思うけどな。俺、あいつだけは怒らせちゃいけねえって思うし」 張飛は本能だけで動いているようなところがあるが、そのせいか野性の勘、というか妙に人の心情に機微なところがあった。その張飛が言うのだから、それは真実を指しているのだろう。 (そ、そうかも知れぬ) 穏やかに微笑む仮面の裏に、いったい何が隠されているのか。付き合いの長くなってきた劉備も、何とはなしに気付き始めてきた諸葛亮の隠された面に、恐れを抱く。 「それで、その諸葛亮はどこにいるのだ?」 「兄者の部屋にいるぞ。自分の仕事をあらかた片付けたみたいで、兄者のやり残した仕事を片付けにいったみたいだ」 「そうか……」 ますます心苦しくなる劉備だった。 「早く行って謝ってくるんだな。あ、ちなみに俺は行かねえぞ。今日の諸葛亮には会いたくねえから」 一緒に来てくれないか、と劉備が言う前に、先手を打った張飛は、じゃあ、と手を上げて、あっという間にいなくなってしまった。 (くっ、翼徳め、兄弟想いではない奴だ) 『そこまでは責任持てねえよ』 と、ここに張飛がいたら反論していただろう。 渋々――というよりは恐る恐る、劉備は自分の執務室へ向かうことにした。 果たして、張飛の言ったとおり、主のいないはずの部屋からは明かりがこぼれていて、中から人の気配がした。先ほどと同じように窓から中を覗こうとしたが、またしても劉備は飛び上がることになった。 「殿、そのようなところで何をなさっているのですか。お入り下さい」 と、中の人物から声を掛けられたのだ。 「あ、あのだな、諸葛亮」 窓からいい訳を始めようとした劉備へ、こちらに背を向けたまま、諸葛亮が遮った。 「お話は中で聞きますので、どうぞ」 柔らかい、いつも通りの声ながら、有無を言わせないその声音に、劉備は冷や汗を頬に垂らした。 建物を回り込み、自分の部屋の前に辿り着く。なぜかいつもいるはずの衛兵の姿がないことに、不審を抱く。 しかし、中に入った途端、それどころではなくなった。入ってきた劉備へ、卓上で書き物をしていた諸葛亮が顔を上げ、にっこりと笑ったのだ。 劉備はここまでの人生、様々な人間と接してきたが、これほど笑顔が恐ろしい人間に会ったことはなかった。 (これは翼徳でなくとも、近付いてはならない、と思うな) じわじわと滲み出る冷や汗を感じながら、まだ冷静な部分が残っている自分がそう思った。人は笑顔で怒れるものなのだな、と自分にその矛先が向いていなければ、感心すらしたかもしれない。 それほど、諸葛亮の笑顔は怖かった。 「随分とゆっくりなさっていたのですね、殿。おかげでこれほどの書簡が溜まってしまいましたよ」 そう言って、手にした羽扇で卓上やその周りに置かれた竹簡の山を指した。その間にも、あくまで笑顔が崩れることはない。その声も穏やかな風のごとし、劉備へ届けられる。 「すまなかった。これほど遅くなるとは思わなくてな。城下に美味い肉まんがある、と聞いて、それを買ったら戻るつもりだったのだ」 卓上を挟んで、諸葛亮と向かい合うように座り、劉備はことさら申し訳なさそうに謝り始める。 「ところがそこで憲和に会ってな。肉まんに合う酒がある、と言われて。そこで少々飲んでしまって、うっかり寝てしまったのだ。本当は酒も買って、すぐに帰るつもりだったのだ」 証拠に、と劉備は一瓶の酒を掲げてみせる。 「すまなかった!」 もう一度、深々と頭を下げた。その頭に、諸葛亮のふっ、という柔らかな笑いが降った。 「殿、君主とあろうものがそう容易く頭を何度も下げるものではございません。威厳が無くなってしまいますよ」 嗜めるような、しかしやんわりとした物言いに、いつもの諸葛亮へ戻ったのか、とちらり、と顔を上げてみれば、しかしやはり笑顔が怖かった。 「私は、仕事を片付けながら考えたのですけど。殿が毎回のように執務を放り投げて城を抜け出しますが、それはなぜなのでしょう、と」 「それは殿が元気である証拠。足が動く証拠である、と」 何を当たり前な、と思ったが、もちろん口に出せる状況ではないので黙っている。 「そして、ある一つの結論に達したのです」 ごくっと劉備は唾を飲み込んだ。羽扇が諸葛亮の口元を隠したのだ。これは何か策が出るときの前兆だ。そして、その策は間違いなく自分へ向けられている。 「ならば、その足を動けなくさせればいいのではないか、と。さすれば心置きなく卓上で執務に励んでいただけるのではないか、という結論に達しました」 どういう意味だろう、と劉備は考えた。 足を動けなくさせる、というのは、まさか足を切り落とす、などというわけではあるまい。とすれば、足を縛って動けなくさせるつもり、ということか。 この軍師は、こともあろうに主をふん縛って卓上に括りつけておくつもりらしい。 「しょ、諸葛亮、それはあまりにも酷いのではないか?」 「そうですか? 執務を放り投げて臣下に心配を掛けた挙句に、本人は酒場で酔っ払って寝ていた、という涙が出てくるような、酷い臣下泣かせの話よりは遥かにマシだと思ったのですが」 ちくちく、と皮肉で責められれば、確かに今回は不味かった、と思っていた劉備は言い返す言葉を失う。それでも、最後の抵抗として、小声で呟いてみる。 「せめて縄はきつくしないでもらいたいの」 「何のことですか?」 しかし、諸葛亮は羽扇の後ろで小首を傾げた。 「だから、私を縄で卓上にでも括りつけて、仕事が終わるまで離れられないようにする、という策なのだろう?」 「まさか。そのような無礼な真似、するはずがないではありませんか」 心底驚いた、という顔をした諸葛亮へ、劉備は気が抜けて聞き返した。 「違うのか?」 「もちろんです。殿にそのような痛々しい真似など出来ようはずがございません。気持ち良くなってもらって、動かないようにさせてあげますから」 ほっとしたのも束の間だった。聞き捨てならないことを聞いて、劉備は顔を強張らせた。 「つまり?」 「一晩中可愛がってあげて、足腰を立たないようにして差し上げますから」 諸葛亮の怖かった笑顔が、(こういった言い方は妙かもしれないが)人並みに嬉しそうに綻んだ。その時、劉備はなぜ執務室の前に衛兵がいなかったのか理解した。 「ちょっと待て、諸葛亮。手加減はしてくれるんだろうな?」 「殿、二人きりになれば孔明、でしたよね」 卓上越しに伸びた諸葛亮の腕に、劉備はしっかりと手首を掴まれた。羽扇が外れた諸葛亮の顔は、また怖い笑顔に戻っていた。 「孔明?」 「ふふ、手加減などしたら元気の良い殿のこと。足腰はすぐに立ってしまいますよ」 「やめてくれ〜!」 と、劉備は恥じも外聞もなく叫んだ。だが、人払いの完了している部屋に、誰も駆けつけるものはいるはずもなく、ただただ響き渡っただけだった。 劉備と諸葛亮は確かに、互いを男が女を想うように、女が男を想うように、そんな気持ちを持つ関係ではあった。あったし、不満も覚えていない。ただ、一つだけあるとすれば、それは伽の部分にあった。 加減はしてくれているのだろう。それは分かるのだ。それでも、事が済むと劉備はぐったりと疲れ果てる。疲労困憊だ。これなら戦を続けるほうがまだ疲れない、と思うほど疲れる。 その点で諸葛亮は平然としているのだから、これが歳の差なのか、と劉備は嘆きたくもなってくる。 そんな状態の二人で、諸葛亮が手加減はしない、と言い切ったのだ。劉備が恐れるのも無理はない。 手首を掴まれたまま、劉備はじたばたともがく。拍子に、卓上やその周りに置かれていた竹簡の山が崩れていく。それを見た諸葛亮の眉がひくっと跳ねたので、劉備は悲鳴を上げる。 怒っている証拠だ。 「孔明〜」 「お痛が過ぎますね、殿」 だんっと音がするほどに、劉備は諸葛亮に床に押さえ付けられた。こういうときの諸葛亮は、どういう具合なのか、決して劉備が敵わないほどの力を発揮するのだ。普段の剣を取ったり、純粋な力勝負なら勝つ自信もあるのに、いつも容易く組み敷かれる。特別な体術でもあるのか、と勘繰るほどだ。 なおも、見苦しくとも構わない、と思い、喚こうとする劉備の口を、諸葛亮の口が覆ってしまう。 「〜っんん――」 すぐさま舌が差し込まれて、絡め取られる。慣れた調子で上顎や舌を刺激されると、緩々と劉備から力が抜けていく。所詮、諸葛亮には敵わないのだ。 伝い渡される唾液は飲み切れずに、劉備の顎を濡らし、咽へ落ちる。口内の隅々まで舌が這い回り、口腔で諸葛亮と一つになれるのではないか、という気にすらなった。 「ふぅ、うっ……」 段々に息苦しくなってきて、劉備は諸葛亮の袖を引いて解放を促す。しかし、諸葛亮はまだ離す気はないようで、舌をきつく吸っては噛んだり、舌裏をくすぐったり、と愛撫を続ける。 やや酸欠気味になり、劉備の頭がぼおっとしてきたころ、ようやく諸葛亮が離れた。 「あ、はっ――」 ぐったりとしながら、劉備は長い息を吐く。早くも息が乱れてきた。そんな劉備へ、諸葛亮は容赦なく衣を剥いでくる。露わにされた胸へ舌先が伸びた。 息を詰まらせた。 劉備の弱いところを知り得ている諸葛亮の舌は、的確に鋭敏な場所を突いてくる。 ぞくぞくっと、馴染みの感覚が背骨を溶かすような勢いで駆け上る。舌に起こされるように屹立していく胸の粒を、軽く噛まれる。するりっと片方の粒に指先が伸びて、強く抓られれば、ぴくんっと体が跳ね上がる。 硬くなった粒をねっとりと舌が舐め上げ、撫で下ろされる。指先が転がすように粒を弄れば、下肢へ熱が集まっていく感覚がある。 すかさず諸葛亮の手が下半身へ伸びてきた。唾液で濡れた粒を柔らかく吸われ、指先に挟まれて振動を加えられた状態で、下肢にまで刺激が増える。 「やっ、ぁ……んんっ」 堪らず声が上がる。 帯が解かれ、下帯越しに中心を握り込まれた。五本の指がそれぞれ別の生物のように蠢き、劉備の熱を上げていく。布越しの愛撫がすれる感じを生んで、快楽を高めた。 舌が胸から離れ、柔らかな腹の上を通って下肢へ辿り着く。しかしすぐには肝心の部分へ触れてこない。内股の弱い部分へ噛み付き、それからきつく吸って跡を残される。 音を立てて内股に朱点を散らす諸葛亮へ、劉備はもどかしさを覚える。わざとなのだろう。中心を刺激する手も、単調な動きを繰り返すばかりで、焦らすのだ。 「孔、明……っ」 濡れた声で字を呼べば、中心を弄っていた指が、ようやくくびれや先端といったもっとも敏感なところを愛撫してくる。じわっと下帯が濡れた感触がして、その濡れた下帯の上から諸葛亮の唇が触れた。 「ひ、ぁん――」 唇は、触れた途端に大きく開いて、劉備を咥え込んだ。そのまま唇に挟み込まれて、上下に揺さ振られる。その刺激の強さに劉備の腰が浮き上がり、諸葛亮へ押し付ける形になり、なおも深く含まれた。 下帯が、諸葛亮の唾液と劉備のもので濡れそぼっていく。布越しの刺激が今度はじれったさを生む。また、劉備は諸葛亮の袖を引っ張り、そのもどかしさを表現する。 「嫌がっているわりに、殿は素直ですね」 口を離した諸葛亮は、からかってから、今回はすぐに行動してくれた。 お前が巧すぎるからだ。 と言うと、諸葛亮を喜ばせて、今度から手加減をしてくれなくなるかもしれないので、劉備は口にしない。代わりに、下帯を取り去るのに少しだけ協力する。 「私が巧すぎるからですかね」 しかし心を読まれたかのように、にっこり微笑まれて言われてしまい、劉備は言葉に詰まってそっぽを向く。それが肯定だと分かっていても、口には出来なかった。 そんな劉備を見て何を思ったか知れないが、剥き出された中心に諸葛亮の唇が下りる。軽く口付けられて、 「殿は本当に元気ですね」 というものだから、劉備は赤くなって叫ぶ。 「言うな!」 どれだけ疲労しようとも、劉備は諸葛亮と肌を重ねることは好きだ。感じてこうなるのは仕方がない。それでも、諸葛亮に言われると、無性に恥ずかしくなるのだ。 時々、本当に時々だが、劉備は自分が諸葛亮より年上で、なおかつ立場も上なのに、可愛がられている、という思いを感じることがある。 だからなのか、素直になれずに恥ずかしくなるのかもしれない。 それでも、愛撫が再開されれば、その恥ずかしさすら快感を増長させる役目にしかならないのだから、始末に終えない。 深々と咥え込まれ、劉備は頭の芯が煮立っていくような気がした。指先まで痺れ、神経が諸葛亮の口内で集中し、一本になっていくような感覚すらある。 舌先が先端を突付き、唇がくびれを強く挟めば、諸葛亮という水の中にいるはずなのに、劉備は陸に上がった魚のように体を跳ねさせる。 その拍子に、脇にあった竹簡をまた崩してしまう。 「ああ、殿、困ります。大事な書簡も中にはあるのですよ?」 今さらそんなことを言い出されても、ここで始めたのは諸葛亮のほうだ。快感に支配された頭が、ぼんやりとそんな反論を浮かべる。 「少し片付けますので、殿はお買いになったお酒でも飲んで待っていてください」 ここで止めるのか? と思い、劉備は呆然と諸葛亮を見上げる。もう少しで達しそうだったのだ。熱がすぐそこで渦巻いている。 「孔明……?」 その不満を声に乗せると、なぜか諸葛亮は楽しそうに微笑んだ。 「さあ、酌をしますのでうつ伏せになってください」 嫌な予感がした。その言葉に従ってはいけないような、そんな悪い予感だ。 そもそも、どうして酒を飲むのにうつ伏せになる必要があるのだ。 だが、諸葛亮の笑顔は有無を言わさぬ迫力を纏っていたので、劉備は熱を持て余しながらも体を反転させた。するとぐいっと腰を引き寄せられ、腰を諸葛亮へ差し出すような、情けない格好にさせられる。 「何をするつもりだ?」 びくびくしながら、劉備は尋ねる。 頭のどこかで、聞かないほうがいいのではないか? という声もしたが、聞かないともっと不安に駆られるので、口を開いていた。 「ですので、お酌ですよ。どうぞ召し上がってください。美味しいお酒なのでしょう?」 きゅっと瓶の蓋が開けられて、その中身を諸葛亮が一口含んだ。それからその酒が含まれた口が劉備の双丘の奥へ押し当てられ、酒が流し込まれた。 「ひぁ、あ?」 後孔へ流し込まれた酒の感覚に、劉備は悲鳴を上げる。そのまま栓をされるように、諸葛亮の指がするするっと縁を撫でる。 「ああ、本当に美味しそうに飲まれてますね。では、もう一杯いかがですか?」 「も、いいっ」 反射的に断っていたが、諸葛亮は遠慮なさることはありませんよ、と言ってまた口に含んで、奥へと流してくる。それを何度も繰り返される。 「あ、ぁ、ぁ――いや、だ」 内部が焼けるように熱くなる。その熱はすぐに全身へ広がり、劉備は流し込まれる酒の感覚と、四肢を脅かす熱に掠れた悲鳴を上げる。 直接腸へ酒を与えられたのだ。酒にあまり強くない劉備はすぐに酔ってしまう。全身から力が抜けて、床にへたり込む。 「では、少々お待ち下さい。すぐに片付けますので」 すっと立ち上がって、諸葛亮は崩れた山を整頓し始めた。 |
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